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大陸の猿の昔話

昔々。大陸に、それはそれはたいそうな猿の軍団がおりました。
軍団の数は優に百を超え、赤子の数は二十を三つ超え、メス達の仲はよく、皆健康で、
悪口はなく、陰口はなく、助け合い、慰めあって支えあい、
飢えたものはおらず、
争いは長引くことがなく、
酒を飲んでは陽気な歌を歌い、
長く長く、繁栄しておりました。

軍団には徳のある大将猿がおりました。
大将猿は、それはそれは徳が高く、皆、彼の声を1キロ先から聞き分け、よく従い、軍団は大将猿を中心に栄えておりました。

大将猿はいつも小高い丘の上から軍団を見下ろし、飢えたものがないか、傷ついたものはないか、荒ぶるものはないかと、その静かでつるりと濡れた瞳で見守ります。

さて、そんな大将猿は、ある日ふと見下ろす事をやめ、反対に夜空にかかる金色の満月を見上げました。

満月は、つるりと丸くて美しく、一瞬で大将猿の心を捕えてしまいました。

大将猿は毎晩決まって月を眺め、その姿が痩せて細っていくのをため息混じりに眺めておりました。

そしてある晩、とうとう月は新月となって空から姿を消してしまいました。

大将猿はたいそう嘆き、

泣いて

泣いて泣いて泣いて

その泣き声を聞かない猿はこの国におらぬほど、何日も泣き続けました。


大将猿は、喉の渇きを覚えて大きな井戸に向かいました。

つるべをとって井戸を覗くと、大将猿の大きな身体が、雷に打たれたように大きく震えました。

なんと、大将猿の大切な満月は、井戸の底に落っこちてしまっていたのです。

大将猿は、あわてて片手を差し出しましたが、彼の手は井戸の底に落ちた月を掬うにはあまりに短いものでした。
それでも彼は、必死で手をのばし、井戸の底でゆらゆらとたなびく青白い月を掴もうと必死になりました。


彼を大将と認めたものたちは、1匹2匹と、彼の様子を眺めに現れました。
彼を心配して井戸の周りには百を超える猿達が集まりました。

子猿が一匹、大将猿の腕を握りました。

それをきっかけに、1匹2匹。

猿達は鎖のように連なり、

大将猿の月を掬おうと、団結し、1本の鎖となって井戸をするする降りていきます。

百匹の猿が、大将の身体を支えます。



ぷつん。



鎖はいつか、その重みに耐えられず、どこからとなく切れて、ちぎれて、バラバラになってしまいました。



こうして、大陸の猿は、一族皆、一晩のうちに消えてなくなってしまいまいました。



井戸の底には、今日も金の月が、ゆらゆらと揺れています。
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非公開コメント

No title

毎日見にきてて良かった!
テンポがあってスリリングでおもしろかったです。
また楽しみにしてます。

No title

コメントありがとうございました。
この「猿の昔話」は、蜘蛛の糸、いじょうの感銘をうけました。
だって、涙がこぼれそう。私にもこんなに豊かな表現力があったらなぁ~、
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Author:銀きのこ
22年6月に娘を出産。
更新途絶えてましたが再開します。

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